『liar』

「明後日の日曜日。
また、ココにおいで」

そう言って男は、公園を後にした。


ーーーーー怖かった。

なのにユキは、動けなかった。


「遅くなってごめんね…」


この透き通る声は、一時間も遅れてやって来た、サオリだ。


学校では、毎日、イジメられて泣いているサオリ。


ユキの前でだけは、良く笑い、心から楽しそうな顔をする。


「大丈夫だョ。
今日は、何しようか?」


ユキは、さっきの事を気付かれたくなかった。


小さくて可愛いサオリには、絶対に“秘密”にしておきたかった………





< 41 / 103 >

この作品をシェア

pagetop