『liar』
「明後日の日曜日。
また、ココにおいで」
そう言って男は、公園を後にした。
ーーーーー怖かった。
なのにユキは、動けなかった。
「遅くなってごめんね…」
この透き通る声は、一時間も遅れてやって来た、サオリだ。
学校では、毎日、イジメられて泣いているサオリ。
ユキの前でだけは、良く笑い、心から楽しそうな顔をする。
「大丈夫だョ。
今日は、何しようか?」
ユキは、さっきの事を気付かれたくなかった。
小さくて可愛いサオリには、絶対に“秘密”にしておきたかった………