『liar』
「こんにちは」
男は、約束通りやって来たユキに満足そうな顔をして、また微笑みかける。
日曜日の午後、ユキは来てしまったのだ………
矢口俊弥。
27歳、独身。
ユキが通う小学校とこの公園の間に、アパートを借りて独り暮らし。
仕事をさぼり、良く、この公園のベンチで時間を潰していた。
毎日の様に、女の子が二人で遊んでいる。
別に、少女に興味があった訳ではなかったが、大人びた雰囲気のユキの事が、気になった。
仕草や表情。
観察してるウチに、どうしても触れてみたいと云う衝動にかられた………
そして、声をかけてしまったのだ。