『liar』
暫く、ベットの上で俊弥はユキを抱きしめ、髪を撫でながら、自分の事を話していた。
去年のクリスマスに、彼女に振られた事。
それ以来、何をしても虚しくて、仕事にも身が入らずにいる事。
ユキは、黙ったまま聞いていたが、頭には残らない。
俊弥にとっては、罪悪感を消す為の言い訳なんだろう。
でも、恋愛の経験など無いユキには、あまり理解が出来ない。
ただ、ずっと優しくされていたい。
もっと、優しくされていたい。
初めて“人に求められた”事が、こんなにも心地良いものだと知った。
心より先に、身体が知ってしまった………