『liar』
夏休み。
学校が楽しい場所ではなくなったユキにとって、この大型の休みは少しだけ楽しみだった。
俊弥によって“開発”されつつあるユキの身体は、以前より丸みをおび、女としての色気さえ出ている。
ユキは、俊弥に言われた日には、必ずアパートを訪れていた。
そして、何度目かの経験をした次の日。
「ユキ。
あんた………」
勉が出掛けている午後の事だった。
「ユキ、おめでとう。
大人になったんだね!」
お昼ご飯を済ませ、部屋に戻ろうとしたユキを、幸子が呼び止めた。