『liar』

薄手のワンピースを着たユキのお尻の辺りに“血”が付いていたのだ。

幸子が押し入れの中から、箱を取り出した。

「ユキ、学校で教わったでしょ?
用意しておいたから、コレを使いなさい」


生理用ショーツとナプキン。


「…うん。分かった…」

ユキはその箱を受け取り、部屋へと入った。


ーーーーー初潮。


本当は、ユキが初潮を迎えたのは、一年以上も前の事だった。


でも、勉に知られる事が何より嫌だったから、誰にも言えなかった。


幸子のナプキンをコッソリ持ち出して使い、今までバレずに過ごした。





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