『liar』

幸子にバレてしまった事が、ユキの気持ちを沈ませる。


幸子は無神経にも“お赤飯”を炊くと云う。

夕飯を作るのは勉の仕事なのに、幸子がそんな事をしたら、勉に分かってしまう……


ユキは、ドンドン憂鬱になる。





「そっか、お赤飯か…」

夕飯の時、勉は含み笑いを浮かべて、そう言った。


女として見られる事に、吐き気さえする。


ユキは、お赤飯を一口も食べなかった。





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