『liar』
腕をつかまれ、引き寄せられて………


私は、この瞬間が好き。

引き寄せられる瞬間が。


『私は、必要とされている』


錯覚で良い。


私は、この瞬間の為に、男を誘っているのだから。



そして今日も、私は知らない男と“セックス”をした。





「良かった?」

バスタオルを腰に巻き、私の頭を撫でながら、ヒロシが聞く。


「……うん……」


冷蔵庫の中にサービスで置いてある“ミネラルウォーター”を枕元に置き、私の隣りに横になる。


何気ない会話をしながらも、ヒロシの手はまた、私の胸を触り始めた。



「……ぁぁ…っ……ん」





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