『liar』
サオリとは、同じクラスにはなれなかったが、相変わらず二人で一緒に遊んだ。


街をフラフラしたり、少し背伸びをして“喫茶店”でお茶を飲んだり。


中学と云う新しい場所は、二人を受け入れてくれて、笑顔さえ取り戻してくれたのだ。


ユキは、幸子やマキとの別れた辛さや寂しさを、忘れてしまう程、明るい未来しか想像が出来なかった。



しかし、ユキの笑顔は、そう続かない。



五月に入ると、一年生全員の二者面談が行われた。


「えーと、先ずは、古谷さんから進路指導室に来て下さい」





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