『liar』
「どうして、出席番号が“9番”の古谷さんが、最初なのか分かる?」

「………い…え…」

「髪、貴女、染めてるでしょう?」

今学期で“産休”に入る予定の、担任の黒澤が、自信を持ってユキに言った。


「……染めて…ません…」

ユキは、生まれつき髪が茶色だった。

でもそれは、染めてるとは言えない程度の色で、ユキ自身も、指摘を受けたのは初めてだった。


「それにね、貴女は反抗的な目付きをするのよ」

「………」

「一度、親御さんとも話をしないとね…」



ユキは悟った。

この担任の黒澤も、味方ではないんだと………





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