『liar』
「泊めてくれませんか…?」


俊弥は、戸惑った。

暫く会わないウチに、自分から声をかけ、部屋へと連れ込んでいた事を、少しは恥ずかしく感じていたのだ。


「……今日だけです………。お願いします………」


俊弥は、何があったのかは、聞かないでおこうと思った。


「良いョ」


それだけ言って、ユキの隣りに座り、優しく肩を抱き寄せた。


また、ユキの目からは、涙が零れる。


でも、さっきとは違う涙。


ーーーーー優しくしてくれる人も居る。


それが嬉しくて、涙が止まらないのだった。





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