『liar』
早朝。
まだ、薄暗いウチに、ユキは目を覚ました。


俊弥がグッスリと眠っている事を確認して、ユキはそっとベットから出た。


脱ぎ散らかしたままの制服が、昨夕の事を思い出させる。


少し、切ないモノを感じていたが、俊弥には感謝していた。


側にいてくれた。


それだけで、嬉しかった。


俊弥の香りが残ったままの身体に制服を着て、ユキは静かに部屋を出た。


ゆっくりと昇り出した太陽の光りが、やけに眩しくて、目を細めてみた。


シワの出来た制服が徐々に照らされて、昨日までのユキを“リセット”してくれる様にも感じた。





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