『liar』
それから、ユキとサオリは保恵の家に顔を出す事が多くなった。


母親が専業主婦で、帰りを待って居てくれるサオリはともかく、家に帰っても誰も居ないユキは、泊まって行く事さえある。

保恵も実の妹の様にユキを可愛がり、ユキも保恵を姉の様に、時には母親の様に慕う様になっていたのだ。


「ユキ、買い物行くョ」


無免許ではあったが、保恵が運転する“原付バイク”の後ろに乗り、二人で良く、近所のスーパーへと買い物に行く。


ユキは、そんな日常が嬉しくて仕方なかった。


「お前等、ホントの姉妹みたいだな」

二人が一緒の所を見ては、保恵の彼氏の“和弥”も良く、そう言って笑っていた。





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