『liar』
保恵の彼、和弥を慕っている後輩の中に、ユキに関心を抱く者が居た。

名前を“眞司”と云い、ユキより一つ年上で、今年、15歳になる。


細身の体で背は高いものの、背中を丸めて気怠そうに歩く。

もの静かで、何処か冷めた目をした眞司は、いつもユキを見ていた。


自分と同じ匂いがする。


決して口数が多い訳では無い眞司には、ユキと会話を交わした事も僅かであったが、そう感じていたのだ。





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