『liar』
「俺んち、行こう」

眞司はそう言うと、ユキの手を取り立ち上がった。


「えっ?
ちょ、ちょっと……」

慌ててユキも立ち上がり、眞司に引かれるまま外に出る。


眞司は、何も喋らない。


あまりに唐突で、戸惑う時間さえユキにはなかったが、眞司の行動に歯向かう事をしなかった。


何故か、暖かみさえ感じている。


この、手を引いてくれてる眞司に、心が揺れる。


口数も少なく、少し強引な眞司。


ユキは、初めて味わう胸のざわめきに、心地良ささえ感じたのだ。




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