『liar』
『好き』とは、どう言う事なんだろうか?


初めて告げられる言葉に、ユキは今一つ理解は出来ない。

でもそれは心地良く、あたたかい気がした事は理解が出来た。



「腹減ったろ?
メシ、貰って来るわ」

サンダルを引っ掛けて歩く、眞司の足音が段々小さくなって行く。

初めて訪れた眞司の部屋には余計な物が何もなく、開いたままのバイク雑誌が、唯一眞司を理解するアイテムだった。


『好き……かぁ……』

眞司の言葉を思い出し、ユキは笑顔になる。


そして、少しづつ氷が溶けて行く様に、ユキの気持ちも変わって行った……





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