また、君に恋をする
勇人が留学するまでの間、二人は気持ちを確かめ合う様に何度も愛を囁き、キスをした。

日記にはその事が赤裸々に記されていた。

勇人が出発する前日、二人は結ばれた。

勇人は、残していく由紀に指輪を送った。

ピンクの石がついた指輪。

左手の薬指に嵌めながら、指に口づける。


『…これがあるから大丈夫。

絶対大丈夫』


由紀は指輪を手にし、胸に当てた。

無くしてしまった記憶。

だけど、心のどこかで覚えている自分がいて、泣いている気がした。

勇人がいなくなってからの日記は、勇人からの手紙や電話を待ち侘びるものに変わった。

電話が鳴る度に期待に膨らみ、違うと悲しくなる。

手紙が来ると嬉しいのに、好きの言葉がないだけで落ち込む。


「…家族が見るのに書けるわけがないじゃない」


日記の中の由紀に囁いた。
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