また、君に恋をする
「由紀ちゃん…
私、あなたのお兄さんの事が好きなの…
応援、してくれるかしら?」


和美は由紀の気持ちを探るようにそう告げた。


ドクン


由紀の鼓動が不吉な音を立てる。


「…由紀ちゃん?
あら大変!顔色が悪いわ!
気分が悪いんじゃない?
私、勇人君を呼んで来るわね!」


青ざめた由紀を見て、和美は慌てて部屋を飛び出して行った。

足元がぐらつく。

ベッドに腰を下ろすと、不安定な気持ちを押さえ込むように目を閉じた。


バタン


勢い良くドアを開け、勇人が駆け寄って来た。


「大丈夫か、由紀?
どこか痛むのか?」


由紀以上に青ざめた顔。

心配しているのが手にとるように読み取れる。


「…大丈夫…ちょっと気分が悪くなっただけ…」


「…高橋、悪いけど今日は帰って。
服は後で届ける…」


「…いいよ、大丈夫だから…
お兄さんは和美さんといてあげて…」


そう言うと、勇人はグッと由紀の手を握り


「大丈夫じゃないだろ…そんな顔して…」


と呟いた。
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