また、君に恋をする

秘密の日記

家に戻って数日が経ち、生活にも慣れてきた頃、由紀は部屋で隠すように置かれた日記帳を見付けた。

鍵がかかった薄いブルー色の日記帳。

鍵を探したが見つからない。


「お兄さん?
この日記帳の鍵、知りませんか?」


ふと、勇人なら知っているかもしれないと思い尋ねた。


「…それは…」


勇人の顔には戸惑いの色が現れた。


「…知りませんよね…すいません…」


由紀が去ろうとすると、勇人が立ち上がった。


「知ってるよ…」


そう言うと、勇人の机の中から小さな鍵を取り出して由紀に渡した。


「それで開くよ」


ありがとうございますと受け取ろうとした時、勇人が強い目で尋ねた。


「中、見るの?」


「…はい」


「…中に何が書いてあっても、きちんと受け止められる?」


「…え?」


「ここには今の由紀が知らない事がたくさん書いてある。
読めばショックを受けるかもしれない。
それでも、読む?」


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