キミじゃなきゃ……。
「キ-ンコ-ン………。」
今日もこのチャイムであたしのくだらない一日が始まる。


「ガラッ……」

渋い音を立てて担任の村岡が入ってくる。

「え-…今日から転校生がウチのクラスに来ます。」


転校生?

あ-あ……。だるいなぁ…。
なんて思いながら、机に顔を伏せる。

それと同時に「ガラッ」と言う音がし、女の子達の「キャ-」という声が聞こえた。

あたしはその瞬間に男だと確信し、そっと顔を上げる。

そしてあたしは、言葉を失った。


甘い茶色のくせっ毛に
スラリとした長い足。
そして綺麗に整った顔。

一言で言い表すなら、
世間は、「イケメン」と呼ぶのだろう。



すると担任が自己紹介をするようにその男に促す。

「え-…。愛知から来ました、佐藤亮といいます。えっと、よ…よろしく。」

これがあたしの小さな恋の始まりだった……。
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