キミじゃなきゃ……。
「さっきの人…誰??」

「彼氏。」

「ふ~ん……」

「てかなんでウチにいるの??」

「別に。たまたま……」
「てかなんかあたしに用があったりしない??」

「う~ん……」

異様に周りを
キョロキョロする彼。

「ねぇ、暇だったら上がって行く??」

「えぇっ!!いいの??」

「嫌ならいい。」

「んじゃあちょっとお邪魔させてもらっていい?」

「いいよ」

なんで
そんな事言ったのか
わかんないけど……。

ただなんかあるのかな~って思って。

あたしも一応
人間だから
なんかほっておけなかったのかもしれない。

「お邪魔しま~す……」
「今、誰もいないよ??」
「マジで!?」

緊張しながら
恐る恐る玄関から
ひょっこり顔を
覗かせる亮に
真実を告げる。

「てか、別に彼氏が挨拶するんじゃないんだからさぁ~……まぁ、上がって…」

「あっ、はい……」

何故か敬語の亮。

「あたしの部屋、2階の突き当たりだから先上がってて」

「分かった……」

そう言って
あたしは台所で
ホットココアを作り、
亮に渡す。

「あったけぇ~……」

「んで…なんかあるんでしょ?」

「なに??せっかく和んでるのに!」

「たかがココアじゃん」
「だから~……脅されてて………」

「えっ??」

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