キミじゃなきゃ……。
「大丈夫だから…」

あたしの手を
優しく握る亮。

「分かった……」

亮の真剣な目を見て
あたしは小さく頷いた。
「俺、例え刺されようがアイツとは終わらせてくるから」

「亮………」

亮はひとり静かに
あたしの部屋を後にする
あたしはひとり
恐怖と戦っていた。


そして、窓から
外に出る亮の姿が見える

「亮……」

―終わらせてくるから―
ひたすら亮の言葉を
信じる。

しばらくして
ひとりの女が現れた。

―美緒だ……。

小刻みに揺れる
あたしの体。

怖い………。

あたし…
こんなにも弱い人間なんだ……。

ただ強がってた
だけだったんだ……。


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