キミじゃなきゃ……。
「愛理って最近可愛くなったよねぇ~」

「やっぱ恋の力ってヤツ-??」

「キャハハ♪クサイって(笑)」

このまま
時間が止まればいいのに
この時、真剣に
思った。


―キ-ンコ-ン…
そんなあたしの思いとは反対に教室に鳴り響く
チャイムの音に
みんなバタバタと席に
つく。

「じゃあね」

笑顔で手を振る
女の子達に
あたしも笑顔で
振り返す。

席につくと同時に
あたしにはまた
強烈な眠気が襲ってくる

「ふぁはは―……」

思い切り大あくびをしてあたしはまた顔を伏せる
コツコツ………。

規則正しいチョ-クの音が教室中に響く。

「ん-……。」

目を覚ますと
授業は残り10分。

あと10分ぐらい
真面目にしよう……

あたしは
眠たい目を擦って
授業を受ける。

キ-ンコ-ン……

「起立、礼!!」

ぺこりとちょっとだけ
お辞儀をして
そしてあたしはまた
席につく。

「柊さん……」

あたしに声を
かけてきたのは
めちゃくちゃ可愛い
女の子。

「あたし、山岸麻衣っていうんだけど……」

「あぁ……山岸さんねっ…??」

「あの……あたし、美緒ちゃんのグル-プに入れてもらってるんだけど、あたし、人見知りで…」
「んで??」

「もし……良かったらお友達になってくれるかなっ??」

「もちろんだよ!!」

あたしは
即答した。

この日から
あたしと麻衣は
親友になった。

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