キミじゃなきゃ……。

第二章 初恋

それからしばらくして彼は、クラスにも馴染め初め、仲のいい友達も出来た。

彼の無邪気な笑った顔がカッコよくて、飲み込まれそうになる。


もちろん話なんてしたこともないし、あたしの名前なんてきっと覚えてくれてもいないだろう…。

それでも、彼がウチの学校に来てから、毎日がちょっとだけ楽しくなった気がした。

「あっ!!」

「………ったぁ-…」
鈍い音とともにあたしの頭部に痛みが走った。

地面にバウンドするテニスボ-ルを見て、すぐにあたしの頭部に当たったのは、テニスボ-ルだとすぐに分かった。

「あ-あ-…。当たっちゃったなぁ-。てか反射神経悪くねぇ??」

「オイ!!実際に当たってんだから謝ったら??」

そいつらに謝るように促しているのは佐藤亮だった。

「…。あ-…もう分かったよ…ごめん……。」

< 5 / 98 >

この作品をシェア

pagetop