キミじゃなきゃ……。
でもあたしは
無理矢理笑顔をつくり
「あたしも!!」と笑顔で言う。


そして心の中で
後悔する。

「じゃあ、カルボナ-ラ2つね-♪♪」

「あっ、うん」


―ピンポン♪―

麻衣が店員を
呼ぶスイッチみたいな
ものを押す。

するとすぐに
店員が来て
「ご注文はお決まりでしょうか??」と
うさんくさい笑顔で
尋ねる。

「カルボナ-ラ2つ!」

「かしこまいりました」

店員が
ペコリとお辞儀をし
厨房へ向かう。

「あ~あ…早く来ないかなぁ~……」

麻衣が
待ち遠しいように
駄々をこねる。


あたしは
それを見て笑う。

「あっ!!」

「へっ?」

「愛理、笑えるんじゃん♪」

「えっ、あたし笑ってなかった??」

あたしは今日
いっぱい笑った
………はずなのに
麻衣はまじまじと
あたしを見つめる。

「愛理、無理して笑ってる。」

「えっ、そんな事ないよ!!!」

図星だったあたしは
思わず焦り
目を真ん丸に開く。

「愛理、なんで無理すんの??」

「……………。」

「愛理…」


麻衣は
まるであたしの
気持ちを読み取ったかのように指摘する。

「麻衣…、あたしちゃんと笑ってるよ??」

「無理してんのバレバレだから…。あたしが気づいてないと思った??愛理は心から笑えてないよ」

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