キミじゃなきゃ……。
「あた…………し」

黙り込むあたし。


しばらく沈黙が続く。


「お待たせいたしましたカルボナ-ラです」


ナイスタイミングで
店員がカルボナ-ラを
持ってくる。


「ご…ごゆっくりと…」

さすがの店員も
この気まずい空気に
気づいたのか
そそくさと退散する。


そしてあたしは目の前に置かれた
カルボナ-ラを
一口頬張る。


「んっ-!!すっごいおいしい!!!!!」


あたしは
あまりのおいしさに
大きな声を出しはしゃぐ

麻衣は少し驚いた様子で目を丸くする。


「あっ……ごめんね…」

「いいよ、謝らなくて。んっ-!!超おいしい!!」


麻衣も
あまりのおいしさに
大きな声を出す。


周りのお客さんが
あたしたちを睨む。


「……どうも………」

あたしが
周りのお客さんに
ペコリと一礼する。

するとお客さんは
何事もなかったかの
ように前を向く。

「すっごいおいしいよねっ!!!あたしこんなおいしい物食べた事ないよ」

さっきまでの
沈黙なんて嘘みたいに
2人ではしゃぐ。

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