キミじゃなきゃ……。
それでも
気になる麻衣の言葉。

『愛理は心から笑えてないよ!!』


分かってた。

あたしの笑顔が
“本物”じゃない事
ぐらい………。


とっくも昔に
分かってたよ…。

だから余計人に
否定されて悔しくなった

「愛理、さっきはごめんなさい………。」

麻衣が申し訳なさそうにあたしに謝る。

「うんん、麻衣の言う通りだよ、あたし本物の笑顔で笑えてなかったよ」

「愛理はあたしにそっくりなの…」

「えっ??」

「あたしもよく美緒たちの機嫌ばっかとってたもん!ちょっとした態度とかでも不安になったりね………。愛理も…そうでしょ??」


「…………うん」


「だから無理しないで」



「………ありがとう…」

麻衣は少し
照れ臭そうに笑う。


「そろそろ帰ろっか♪」

あたしたちは
また絆をいっそう深められ、お皿の上のカルボナ-ラもキレイに無くなった。


「そだね…」


あたしはそう言って席を立つ。


麻衣は伝票を持って
レジへ向かう。

「あっ、ちょっと待ってよ!はい、890円!!」

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