キミじゃなきゃ……。

亮☆Story

「…はっ??」

「だ～か～ら…俺、転勤することになったから。オマエもついてこいよ」

「はっ??」

オヤジが突然オレに
告げた“転校”の事実。

俺のオヤジは
運搬業者に勤めている。
だから転勤なんて
よくある話。

今の学校も
２年前に転校してきた
ばっかりだ。


せっかく仲のいい
ダチもできたのに
もうお別れなのか……。

「３日後にはもう引っ越しするからオマエも荷物まとめろよ」

「……マジかよ………」

オレは小さく呟き
学校に行く準備をした。

「じゃあ亮、父さんもう出かけるからな。」


玄関から聞こえる
オヤジの声。

あぁ……
最悪だ…


オヤジは
オレがまだ小さい時に
お袋を亡くし
男手ひとつで
オレを育ててくれた。


まぁ
そんなんだから
オヤジには
感謝してるけど。


オレは食パンをかじり
傍に置いてある鞄を持ち玄関の鍵を
閉めて学校へ向かう。


オレの通う学校は
家から１０分くらいの
距離にある。

だから
とぼとぼ歩いていると
すぐに学校についた。