キミじゃなきゃ……。
智也はカッコいいなぁ-

オレはいつも思う。


でも……………。


オレはもうすぐ
転校する…。

みんなには転校の事は言わないで最後に楽しい思い出を作ろう!!

そう思った時
クラスの担任が
入ってきた。

「起立!!」


学級委員の号令に
みんなが
立って、挨拶をする


まぁ、もともと
オレの住む町は
田舎だからヤンキ-も
不良もいない
平和な町。


もちろん
ゲ-センもなければ
ボ-リング場もない。

でもこの町は
オレにとっては
大切な場所。


転校なんてしたくない…

オレの思いは
これだけだった。

「え-、亮が親父さんの都合で転校することになった!!」

教卓の前で
淡々と話し出す担任。


「えぇ~、亮マジか??」

「…お、おう……」


担任のせいで
オレの素晴らしい作戦は水の泡になった。


後ろの席の智也は
呆然とした様子で
何も話さない。


怒ったのか??

「では亮、ちょっと前に出て挨拶をしろ!ハイ、みんな拍手-」


「………嫌だ」

オレは不機嫌に言う。

「なんでだよ??」


な-んにも分かってない 担任にイライラする。


「ほら亮、早く前に来なさい!!」

オレは
嫌々、前に行って
先生の隣に立ちすくむ。

「……ハイ、みんな静かにね-」

担任の一言で
クラス全員が黙る。


「えと…短い間でしたがありがとうございました………」
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