キミじゃなきゃ……。
ざわざわとする教室。

「マジで-……」

「えっ-」

みんな交互に
口を開く。


「みなさん今までありがとうございました!」

オレはそう言うと
自分の席に戻った。

「亮、マジか?」

後ろの智也が呟く。

「お~!今までありがとな☆」

オレは
明るくニコニコ
笑いながら言った。


智也はア然と
口をポカンとあける。


「そっか…、オマエは寂しくないんだな……」

「……ちげぇ~よ」

「もういいよ…」


智也はそれっきり
何も言わなかった。


長い授業も終わり
オレの席には
たくさんの人が
寄ってきた。


「ねぇ、亮クンってホントに転校しちゃうの-?」

「亮マジで転校するのかよ!!?」


「お~よ…みんなありがとな☆」

「………亮クン、ちょっといい??」

同じのクラスの女子が
オレを廊下に呼び出す。

「あのっ…亮クンって転校しちゃうんですよねっ!あたし前から亮クンが好きで……もしよかったらあたしと付き合って下さい!!」

「あの~…オレ、転校するんだよ?分かってるんでしょ?だったら…」

「それでもいいの!!だからお願いです!あたしと付き合って下さい!!」


意味分かんねぇ~…
オレは転校するんだぜ??なのにど-して??

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