キミじゃなきゃ……。
「わりぃ~けどオレ、今は女とかって興味ないんだ。だからさ、君もオレみたいな男はやめてさ、もっとかっこいい彼氏を-……」


「嫌です!!あたしは亮クンじゃなきゃダメなんです!」

「………オレ…悪いけどよく君のことも知らないしさ……」


「あたし高橋由紀菜です!あたし…亮クンが大好きなんです!!」


「………ハァ…わかった…いいよ…」

オレは
降参するように彼女に
言った。

それなのに彼女は
とても喜んでいた。


「ありがとう!!あたし…遠距離でも亮クンだけを見てますから!!亮クンも…………浮気…しないで…下さい…」

由紀菜が
恥ずかしそうに言う。

「ねぇ、敬語やめたらどうなの?オレらカレカノでしょ?カレカノなのに敬語ってヘンじゃん」

別に深い意味なんてないのに由紀菜は「はい!!」と喜んで答えた。

「じゃあ、また…」

「あの!!連絡先教えて!だってカレカノでしょ?」

由紀菜が
ニコッと笑う。

オレは仕方なく
赤外線でメアドを
交換した。

「ありがと、じゃあ帰ったらメ-ルするからね」

由紀菜はそう言って
オレに手を振ると
近くにいた女子と
手を取り合ったり
抱き着いたりして
とても喜んでいた
様子だった。


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