キミじゃなきゃ……。
でも……
現実は違った……。

その日の授業は
全く頭に入らないまま
終わった。

帰りに
たくさんのヤツから
遊びの誘いを受けたが
そんな気分になど
なれなくて全て
断った。


オレは
仲のいいダチ5人と
一緒に帰っていた。

いつもなら智也も
一緒だが智也は
用事があると
先に帰ってしまった。

「…にしても亮…智也に何かしたのか?」

「智也、今日もずっと怒ってたしな」

「いや、あれは怒ってるって言うよりなんか…不機嫌みたいな……。お前なんかやらかしたか??俺らが話しても無視だしよ-……」

「転校の話の時、まるで寂しくも悲しくも何とも思ってないようにクソ明るく言った……。」

「それだ!!」

そいつはそう言うとオレの方向に
指をビシッと指す

「それは亮が悪いぞ-…アイツ、マジでお前の事気に入ってたしな」

「あぁ…、そりゃ-あいつも寂しいだろうなぁ-……」

オレは
なんであんな言い方を
したんだろう……。
素直に寂しいって
言えばよかったのに…。カッコつけて
強がって………

オレは最悪なヤツだ…。

「まぁ、そんなに気にすんなって!また明日謝ればいいじゃんよ-」

「そだな…あっ、じゃあオレ、帰るわ!!また明日な!」
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