キミじゃなきゃ……。
しばらくして
泣き疲れ
オレは泣いて
赤くなった目を
擦って荷物をまとめた。

意外にも
家具や小物の少ない
シンプルな部屋のお陰で早く終わることが
できた。


でも荷物を全て
ダンボ-ルに詰め
部屋中の物が
無くなった頃には
もう朝の3時を過ぎていた。


「喉渇いたな…」

さすがに
泣いたり
動いたりしたから
オレの喉はもう
カラカラだった。

下に下りて
リビングにある冷蔵庫に行き、スポ-ツドリンクを一気にがぶ飲みして
部屋に戻ろうと
廊下に出ると
居間だけなぜか
まだ明かりがついていた

オレは
不思議に思い
ふすまの隙間から
そぉっと覗くと
オヤジが
机に顔を伏せながら
泣いていた。


なぜ泣いているのか
オレにはわからなかった
オレは
ゆっくりと
オヤジに
気付かれないように
階段を
上がりそのまま
眠りに落ちた。


「…………亮、起きろ」
オヤジの声で
オレは目を覚ました。

「ぅんん~…」

ダンボ-ルしかない
部屋を見渡しながら
大きく伸びをする

「亮、もう外に引っ越しのトラックが来ているんだ。……なぁ亮、お前は残るか??」

「はっ?」

「俺は別に構わない。お前にはたくさんの仲間がいる。本当は転校なんてしたくないだろう???お前ももうすぐで高校生だ…自分の人生は人生で決めろ。」



オヤジらしい
言葉だった。

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