キミじゃなきゃ……。
しばらくウロウロするとオヤジが
おぼんを持って
席に座ってオレを待っているのが見えた。

オレは
走ってオヤジの所に
行った。

「オヤジ、お待たせ」

「……………」

返事はない

「オヤジって!!」

「ああ、亮か……すまん……」

オレは
少し不信に思いながらもきつねうどんを
食べ始めた。

オヤジも
それを見て
トンカツ定食を
食べ進める。

「しばらく休んでもいいか?向こうまであと1時間もあるから……」

どうやら
久しぶりの運転で
疲れたようだ。

「別にいいけど…オヤジ大丈夫なのかよ」

「あぁ、少し休めば大丈夫だ…」

オヤジはそう言うと
またトンカツを
一口食べた。

オレも
それ以上話さなかった。

きつねうどんも
あっと言う間に
食べ終えて
オレはズボンの
ポケットの中に
入れっぱなしの
ケ-タイを開いた。

【新着メ-ル3件】


中の液晶画面には
そう示されていた。


オレは
いつものように
メ-ルをチェックする。


1件目は
仲のよかったダチの
谷川からだった。
【本文】
明日、お前のお別れ会を開こうと思うんだけど来れるか??


………もちろん
行ける訳がない…。

オレはそのメ-ルを
削除した。

辛くなるだけだから。


次のメ-ルは
ダチの拓からだった。
【本文】
谷川から聞いたと
思うけど明日お前の
お別れ会するから☆
明日9時に迎えに行くね!

……迎えに来たって
誰もいないのに………。

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