キミじゃなきゃ……。
「……きろ…起きろ!」

オヤジのデカイ声で
オレは目を覚ました。

「転校初日から遅刻するのか??」

昨日ずっと
引っ越しの荷物を
運んだり
荷物を出して
置いたりする仕事に
明け暮れた。


はぁ……
しんどいなぁ~


ダラダラと
新しい制服に身を包む。

「オヤジ…どうだ?」

「フッ…に、似合って…あはは-!!」

大笑いするオヤジ。

オレは
少しムッとする。

「何??」

不機嫌の
最高潮にいるオレ。

「ほ、ほら、早く学校に行けよ!遅刻するぞ」

なんかオレ
ごまかされてない??

そう思いながらも
新しい学校へ向かう。

昨日、挨拶に行ったけどまだ道を覚えていない。
ただ同じ制服の子の後をついていった。

校門の前までくると
先生が挨拶をしていた。
「おぉ……佐藤君だな?今日から君の担任になる村岡だ。一緒にクラスに行くか?」

「……はい…………」

何度転校を繰り返してもやっぱり緊張する。

ガタガタと足が
震える。

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