キミじゃなきゃ……。
それから
しばらくして
オレにはたくさんの
友達ができた。


「お-い、亮キャッチボ-ルしようぜ」

「おぉ、いいぞ-」

オレは軽く
返事をすると
新しい友達の俊樹と
テニスボ-ルで
投げ合いを始めた。


しばらく
キャッチボ-ルをすると
野球部の俊樹が
オレに向かって
強い球を投げた。


「あっ!!」


俊樹の投げたボ-ルは
席に座っている女子の
もとへ一直線に
どんどん伸びていく。

ボコッ…


鈍い音が
うるさい教室に
響き渡る。

「………ったぁ-…」


地面にバウンドする
テニスボ-ルが
衝撃を物語る。


その子は
頭を押さえながら
オレと俊樹の方を
強い眼差しで
睨みつける。


「あ-あ…。当たっちゃったなぁ-。てか反射神経悪くねぇ??」

俊樹が
冗談そうに笑う。

それを見て
彼女は悲しそうに
下を向いている。


「おい!!実際に当たってんだから謝ったら??」

オレは
真剣な表情で
俊樹に言った

「…。あ-…もう分かったよ……ごめん…。」

俊樹は
少しダルそうに謝った。

ぱっと
彼女の方を見ると
彼女の表情は
全く変わって
いなかった。

彼女の
第一印象は
“地味な子”だった。

でもこの日から
オレの恋の歯車は
ゆっくりと
回り始めていた。
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