キミじゃなきゃ……。
そうしてあたしは
ある決心をし、洗面所へ向かう。

可愛いフリルの付いた、お姉ちゃんの
ポ-チの中身を物色し、
慣れない手つきで
マスカラを塗り、
桜色のリップを唇に塗り仕上げに少しファンデ-ションを塗る。

「……うそ…。これがあたし??」

鏡に映っているのは
まるで別人だった。

みんな、化粧で化ける
なんて言うけど、
ホントにその通りだった


「愛理-♪♪ついにあんたもオシャレに目覚めたの-♪♪」

「おっ…。お姉ちゃん………。」

この人はあたしの
お姉ちゃんの柊 愛子。 高校2年生。
学校一の美人
(……ならしい)
もちろん彼氏はいる。
あたしとお姉ちゃんは昔から全然似てないけど友達のように仲がイイ。

「愛理-。可愛いわ-♪」
「あっ、これはその-……ちょっとだけ興味があって……。だから別に好きな人ができたとかじゃないから!!!」

「かして…?愛子が愛理を可愛くしてあげる。」
そういってあたしから、自分のポ-チを奪い、
手慣れた手つきで、
あたしのボサボサの髪をアイロンでゆる巻きにしてくれた。

「はい♪乙女ちっくゆる巻きの完成-♪♪」

そう言うなり
お姉ちゃんはあたしを
そのまま外に連れ出した

「今日、バイトの給料もらったんだよね-♪」

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