キミじゃなきゃ……。

「……早くどっか行ってよ……………」

「お-よ!じゃあな」

その男は
フラフラと
手をふりながら
どこかへ消えていった。

「あの人元カレなの…」
美緒がゆっくりと
話し始める。

「あの人は……付き合って間もない頃はとっても優しくていつもあたしを守ってくれる…そんな人だった………。あたしもそんな彼が大好きだった……でもねっ高校離れてからは束縛ヒドイしたくさん暴力もされてっ……あたしはねっ、あの日を境に変わったんだよ…」


初めて明かされた
美緒の辛い過去。

オレは戸惑った。

元カレからの
束縛、暴力……。

「美緒………」

「ご、ごめんねっ!!引いちゃったよね!!」

「美緒っ!!」

オレは
思わず美緒を
抱きしめた。