スイーツな恋
教室で、わたしは塔子ちゃんにしぼられていた。

「駄目だよ。陽菜、あいつだけは、やめときな」

「どうして?」

「どうしてって!!不良だよ。当たり前でしょ」

「翔馬のこと、知りもしないのに決め付けないでよ。
わたしの翔馬のこと、悪く言う塔子ちゃんなんて嫌いになっちゃうからね。」

「ホームルーム始めるぞ!」
担任の先生が教室に入ってきた。
わたしと塔子ちゃんは席についた。

「池上!」
急に先生に名前を呼ばれてびっくりした!

「池上、泉とつきあっているらしいな。悪いことは言わん。やつだけはやめておけ。」

「アハハ!!」
教室中に生徒の笑い声が響きわたる。

どうして?先生までそんなこと言うの?

         ★★★

時間はあっという間に過ぎ、昼食の時間になった。

「どこ行くの?」

そそくさと教室から出ようとしていた、わたしの腕を塔子ちゃんがつかんだ。

「また、あいつのとこ、行くの!」

「あなたには、関係ないでしょ!」

「私は、陽菜のこと、心配して…」

「離して!」

わたしは塔子ちゃんの手を振り払うと、非常階段へ急いだ。

翔馬に会いたい!
もっと話したい!
見つめあいたい!
もっと一緒にいたい!

はやるこの気持ちは誰にも抑えられない!

目指すは、非常階段!!

< 10 / 44 >

この作品をシェア

pagetop