スイーツな恋
その日の放課後、わたしは翔馬を非常階段にケータイで呼び出した。

「何だよ。話があるって、何?」

かったるそうな顔で翔馬がいう。
ビッチ女に向けていた笑顔はみじんもない。

「ビッチ女とつきあってるの?」
「ビッチ?」
「…原島ミカのことよ」
「ミカのこと、そんなふうにいうのやめろよ」

ミカ…ビッチ女のこと、ミカっ名前で呼んだ!!
わたしのこと、陽菜って、いったこと一度もないのに!!

「だから、ふたりはつきあってるの?」
「まあな。それが何だよ」

「翔馬、分かってんの!?あの女はどんでもないビッチ女だよ。
三ケタの男と関係をもった節操なしの不潔女だよ!!
絶対遊ばれて捨てられるだけだよ」

「ミカはそんなヤツじゃねえよ!勝手に決めつけんな!!」

「でも…あの女は…」

「おまえも人をうわべで判断するのか。結局、あいつらと同じなのかよ。
もういい、お前とは何も話したくない」

「翔馬!!」

「俺に近づくな!!」
翔馬は怒鳴り散らした。その顔は怖かった。
翔馬は肩をいからせて、去っていった。

わたしはその場にすわりこむと泣き出した。
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