スイーツな恋
第十二章 つないでくれたもの
塔子ちゃんが怒り心頭って勢いで畳み掛ける。
「ちょっと、子供を育てるって、どういうことなのか分かってんの?それに、母親が入院しているんでしょ?そんな金どこにあるのよ?」
「もう、とっくに退院したよ。あの女、退院したとたん、俺がバイトで稼いだ金を持ち出して男とバっくれやがった。本当、最低な女だよ。」
翔馬はわたしの方に視線を注ぐ。
「必死こいて働けば、お前と子供をくわすぐらいの金は稼げるよ」
「そんなの、絶対駄目よ」
塔子ちゃんが口を挟むが翔馬は気にしていない。
「なっ、産んでくれ」わたしの手を両手でつかんで懇願した。
「俺、思ったんだ。俺みたいなのでも生まれてきて良かったって。母親はあんなんだし、みんなからも煙たがれ、さんざんな人生だったけど、そんなに悪いことばかりじゃなかった。いいこともあったよ。それも、生きてればこそだろ」
「その子は、まだ、生まれてもないんだ。これから何があるのか分からないのに、俺たちの都合でその子供の未来を閉じるようなことしていいのかよ」
「翔馬…」
「その子、育てよう。それで、俺たちのような寂しい思いをさせないよう、いっぱい愛してあげよう」
「うん」
「陽菜、それでいいの、本当に?」
「心配してくれてありがとう、塔子ちゃん」
「でも、わたしはこの子の母親なの。わたしが守ってあげないとだれが守るのよ」
「そっか、陽菜、いい目してる。陽菜が決めたんなら何も言わない。私にできることがあったら力になるからね」
「うん」
「じゃ、私は行くから、二人でちゃんと話しなさい」
塔子ちゃんは出ていった。
「ちょっと、子供を育てるって、どういうことなのか分かってんの?それに、母親が入院しているんでしょ?そんな金どこにあるのよ?」
「もう、とっくに退院したよ。あの女、退院したとたん、俺がバイトで稼いだ金を持ち出して男とバっくれやがった。本当、最低な女だよ。」
翔馬はわたしの方に視線を注ぐ。
「必死こいて働けば、お前と子供をくわすぐらいの金は稼げるよ」
「そんなの、絶対駄目よ」
塔子ちゃんが口を挟むが翔馬は気にしていない。
「なっ、産んでくれ」わたしの手を両手でつかんで懇願した。
「俺、思ったんだ。俺みたいなのでも生まれてきて良かったって。母親はあんなんだし、みんなからも煙たがれ、さんざんな人生だったけど、そんなに悪いことばかりじゃなかった。いいこともあったよ。それも、生きてればこそだろ」
「その子は、まだ、生まれてもないんだ。これから何があるのか分からないのに、俺たちの都合でその子供の未来を閉じるようなことしていいのかよ」
「翔馬…」
「その子、育てよう。それで、俺たちのような寂しい思いをさせないよう、いっぱい愛してあげよう」
「うん」
「陽菜、それでいいの、本当に?」
「心配してくれてありがとう、塔子ちゃん」
「でも、わたしはこの子の母親なの。わたしが守ってあげないとだれが守るのよ」
「そっか、陽菜、いい目してる。陽菜が決めたんなら何も言わない。私にできることがあったら力になるからね」
「うん」
「じゃ、私は行くから、二人でちゃんと話しなさい」
塔子ちゃんは出ていった。