スイーツな恋
わたしは翔馬を制すると、立ち上がって叫ぶ。

「わたしの赤ちゃんよりも、お姉ちゃんの体裁の方が大事なの?」

「そうだ。」

「あんたなんて、父親じゃない。」

「なんだと!」
父はわたしの頬をひっぱたたこうと手をあげたが、ちゅうちょする。

「殴ればいいじゃない。いつもそうよ。はれものにでも触るようにわたしを避けて
向き合ってくれなかった。どうして?なんで?一度もわたしの目をみてくれないの?」

「陽菜」翔馬はわたしをなだめる。でも、わたしの勢いはとまらない。

「この子は絶対に産むから!それで育てる。あんたたちみたいに子供にさびしい思いさせない。いっぱい愛してあげるの」

「翔馬、今日のところは帰って。この人には話しても無駄よ。ずっと平行線だよ」

「わかった」

翔馬は父の方に向き直ると頭をさげる。
「また、日を改めて、あいさつにきます」

「二度くるな。お前には敷居をまたがせないし、娘もわたさない。」父は激昂した。

          ★★★
玄関で

「こんなことになっちゃってごめんね」

翔馬はわたしをひきよせるとささやく。

「待ってろ。必死でバイトして百万たまったら、お前をさらいに行く!!」

「えっ!?」

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