one.real

「わかってる、本を買ったらすぐに帰るわ」

「ならいいけど、憂水の“すぐに”は信用出来ないからなぁ」

「大丈夫よ、だって今日雨だもん。私も早く帰りたい」

「もしなんかあったらすぐに掛けてね?」

「心配性ね、絋哉は。あ、電車来るみたいだよ」

「本当だ、じゃあ憂水また明日ね、帰りマジで気を付けてよ?」

「ん、ありがと」


電車がホームに入り込む音、ホームのアナウンス。

私に手を振って、離れていく絋哉の姿。


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