one.real
“あいつを手放さなくて済む方法があんなら、教えろよ潤…なぁ、頼むから…”
『まだ、無理か』
あの頃、
まだ俺達が、たった15歳のガキだったあの頃。
あいつらは誰より真剣に思い合ってたと思う。
周りが彼氏彼女に浮かれる中で、唯一本物だったのはあいつらだけだった。
でも、
本物だったから、駄目だったのかもしれない。
もっと子供らしく、
もっと単純に、
ただ互いに想い合うだけなら良かったのに、
もっと互いを理解出来なければ良かったのに、
もっとあいつらが弱ければ良かったのに。