one.real

初対面の人が聞いたら独り言なのかと思うんじゃないかってゆう口調。


『うん、あと10分もすれば着くかな』


クールっちゃクール。


『お前も一個端寄れ。アイツ壁側な』


怖いっちゃ怖い。


でも、


『ここではヘタレ碧杜のまんまでいいだろ』


そう言って壁際の席の照明を少し落とす金髪は、

少し優しい。



『碧杜最近ここ来てる?』

『いや、先月お前と来た以来』

『…聞いてる?』

『…詳しくは、知らねぇけどな』


そっか、と軽く返事をしてコーヒーに口をつけた。

たくさん飲み比べた訳じゃないけれど、ここのコーヒーは美味しいと思う。

金髪…もとい総司さんは碧杜の従兄弟でこの店のオーナーだ。



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