one.real
戻ってきた総司さんからそれぞれ注文したものをもらい、数分。
『飲み過ぎんなよ、未成年』と釘をさされたにも関わらず、俺と碧杜のグラスはすでに空同然。
俺もまぁ強い方だとは思うけど、碧杜にいたっては仕事関係でアルコールには相当な免疫が出来たらしく、いつもいくら飲んでも潰れない。
『ウィスキーの良さがわかんねぇ』
『俺ビールがわかんないかも』
『ビールのが呑まされねぇか?』
『や、俺にお酒教えた人がウィスキー好きでさ、俺もなんかそればっか』
ーまぁ打ち上げん時は多少呑むけど。
空いたグラスの中、氷がカランと揺れる。
『……元気?』
一瞬の沈黙の後、小さく、呟くように問い掛けてきた碧杜の声は、酷く切なかった。