one.real
総兄の場合は彼女とは言い切れない感じだった。
毎回相手は美人で数ヶ月から一年程続いてたけど、付き合ってるにしてはどこかお互いに淡白というか。
そんな総兄が今は俺と同い年の子と付き合ってるなんて未だに信じられない。
『総司さんて、彼女といるとどんな感じになんの?』
バーボンがくる前にカップを空けようと、アールグレイを飲む俺は潤の質問に口端を上げた。
彼女に関する話は総兄の唯一の弱点。総兄に今も頭が上がらず、たまにパシリにされてる可哀想な潤に一応きちんと口止めしてから教えてやる。
『すっげぇ優しい目はしてる。…無意識だろうけど』