one.real

それにそのうちこの質問をされることを潤は知っていたと思う。

気づいてたと思う。

きっと俺以上に、俺ら以上に、俺のことを俺らのことを理解してるから。

だから、自然に何でもないように、まるで世間話するみたいに俺に答えて笑ってくれる。



『変わらず英語の勉強とかもしてるし?』

『頑張ってんだ』

『そりゃな、頑張るだろ』



うん、分かってる。

そのために、俺らは。



『勉強してる時は本当にストイックで相変わらず恐いし』

『だろうね』

『お前、前の比じゃないからな?マジで』



真剣に言う潤に笑いが込み上げてくる。

普段は仲の良い潤と憂水。二人の間にはいつもその時だけ訳わかんない上下関係が成り立つ。

潤に縋られて俺はそんな憂水をよく宥めてた。


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