one.real
『…そう』
『もう半年経つ』
『ふーん』
『憂水、笑うようになった』
『……』
『そいつのおかげ』
『……』
『…だと思う』
今の憂水を、俺の知らない憂水のことを知りたくて聞きたくて
…何より会いたくて、気づいたら口に出していた。
でも。
“彼氏いる”
もう聞きたくない。
『…そうなんだ、良かったなんか安心しー…』
『だけど』
自分から聞いたくせにもう聞きたくないって、話を終わらせようとした俺の言葉を、潤が低く遮る。
顔をあげて横を見れば潤と目が合った。酷く寂しそうな顔の潤。
『まだ泣くよ…独りで』
同じように寂しそうな声に、俺はまた胸が傷んだ。