one.real
休憩、なんて言ってたけど絋哉は体育館に戻る素振りも見せず、やっと腰をあげたのは笑が戻って来てからだった。
『なぁにーこの空気ー?すごーく入りにくいんですけど?』
大してベタベタしてた訳でもなくただ話していただけなのに、戻って来た笑は暑苦しいとばかりに手をヒラヒラと振った。
『笑先輩、こんにちは』
『はい、こんにちは。時に絋哉くん?君自主練してたんじゃないの?』
爽やかに挨拶をする絋哉に指を突き付けながら言う笑はどうみても偉そう。
『はい。今は休憩です、息抜き』
『あらあら、息抜きが彼女だなんて言ってるうちはアスリートにはなれなくってよ?』