one.real
『もう一人自分がいたらって…あんな格好良いのが2人もいたら逆に困るよね』
インタビューの記事を読みながら絋哉が言う。
赤く、大きな見出しはよく目立っていた。
〈ファン待望!あの小説の映画、遂に公開!〉
〈豪華キャストにも注目!?主演―…〉
見出しと一緒に見開き全面に写る。
写真と文字というのはどうして、強く濃く、頭に残って、記憶を呼び起こすんだろう。
“――憂水”
『男からしても格好良いし俺結構スキ』
『…そうなんだ』
『憂水は?』
『へ?』
他意はない。
そんなのは分かってた。
『碧杜。スキ?』